第6章 其ノ伍
二『…兄上。 あの者の容態は
いかがなのですか…』
大『なんだ? お前も見舞いに来て
いいのだぞ。』
二『いえ… 私は…』
翔が目覚めた夜、部屋で休んでいると
和也が入ってきてあれこれ話をするが、
翔の事となるとふいに黙り込んでしまう。
大『お前と…雅紀は…どうなって
おるのだ。
あのようなことをしている関係…なのか?』
二『あ…れは…違…うのです
あのようなこと…
わた…くしは…あ…』
大『和也…
泣くな…』
言葉を詰まらせ涙を流す和也を懐へと抱き寄せた。
大『あ奴が… 雅紀に 無理やり
やられたのか?』
頭を撫でて、指で涙を拭いながら訪ねると、大きく首を振って更に涙が溢れ出した。