第6章 其ノ伍
それから翔が目を覚ましたのは、3日目の夜だった。
とは言っても顔から体から包帯でグルグルまきの状態で痛々しく目だけをギョロギョロと動かし様子をうかがっている。
大『目ざめたか。 良かった。
もう大丈夫だから安心しなさい。』
そう言って手を取るが、痛みで麻痺
しているのか反応する事なく再び
目を閉じる。
『… な… ぜ…… 』
微かに声を出してそう言うと、智は
また手を取り直した。
大『う~ん。 ……なんで…だろうな
自分でもはっきりとしたことは分からない……
けど
おぬしへ何かを感じたのは確か…であろうな…
って…これでは答えになっておらぬか…
』
そう言って、智は少し笑った。