第5章 其ノ肆
は? 何を言っておるのだ…この男は。
兄上が見ていた…?
コイツが好いているのは才蔵?
時が止まったようになった。全くわけがわからない。
相『和也殿… そんなに悲しかったので
すか?涙を流したりして。
私が潤の事…愛しているのがそんなに…』
二『違っ… 何を言ってるんだ。
もう訳が分からない…』
顔を掴むようにして、長く細い親指でなぞるようにして涙を拭う。
相『俺も潤も、和也殿や智様も
なぐさめる為なら抱く事も出来るっていうことでございます。』
二『は? 益々訳が分からない…んだが…突然…どうしたのだ…』
相『この際一度、私に全てお任せください。
智様の事など考えられないくらいの快楽を与えて差し上げますから。
それでもまだ智様が良ければきちんと、思いを伝えてみたらいいじゃないですか。』