第5章 其ノ肆
私の初めての……ってそんな事よりも…
まだ直ぐそこに兄上がいるのに…
怖くてそちらを見れずにそのまま、相葉に肩を抱かれて押されるようにして屋敷の中へと入っていく。
二『お…お……おい!
何を… 何で…あんなこと………
あんなこと…兄上にっ 兄上が見ていたら
どうするんだ?』
相『ああ… 智様何故か振り返られて
見ておられました……ははっ…
私はもう駄目かもしれないな…
和也殿…私の亡骸はどうか……父の眠る祖国の地へと…どうかそれだけ……』
二『勝手に言ってるなよ…サスケ! お前は
…私の事… そう言う意味で好いておるのか?』
今にも溢れ落ちそうな涙をこらえて相葉の胸ぐらを掴んだ。
相『もちろん。 和也殿の事…兄弟…
それ以上程には好いておりますよ。
しかしながら私が本当に愛しているのは
才蔵にございます…』