第4章 其ノ参
さっき何か言いかけたようだったが、すぐに気を失ってしまった。
全く熱の気配すら失ってしまっているのに何かを…惹かれる何かを感じていたのかもしれない…。
ただ彼の重みだけを背中に感じながら、馬を出発させる。
松『とりあえず…
私の田舎から出て来た兄弟という事にして、動けるようになるまでは私のところで世話を致しましょう。』
大『ああ。 宜しく頼む。 私は東山先生のところへ内密で診察してもらえるように頼んで来よう。』
松『ああ。 そうだな。 先生なら安心であろう。』
二人で、そんな計画をたてながら森を抜けると、和也と相葉が歩いて来るのがみえると、相葉が背中の者に気づいた様子で鞘に手を
かけた。
相『何奴!』