第4章 其ノ参
大『何って、助けるに決まっておろう。』
松『お待ちください!この家紋は…』
掴む腕を振り払って男のもとへと駆け寄っていくと微かになにか言葉を発した。
男『…………され』
大『ん…! 何だ? 何と申した?』
男の血は固まり顔は原形が判らぬほどになり着物もみだれ破られている。
松『もしや… これはただの戦禍の傷だけでは…』
大『失礼致す』
そう言うと松本が男を抱くようにすると後ろをめくってそちらの傷も確認して、
2人顔を見合わせ頷いた。
松『紐で背中にくくりますので、先に馬に乗ってください』
大『潤…。 良いのか?』
松『私も、こんな事で人を傷を付けるような輩は許せません。
それに、今更何を言っても智様は聞く耳もたれないでしょうから?』