第3章 其ノ弐
背中を洗ってもらうというのは気持ちがいいものだ。
この手を掴んでそして
今すぐにでも抱きしめて、懐に入れてしまえたら…
大『今日は何か話たいことあったのだろう?
良き娘でも出来たか?
それなら私に遠慮など無用だからな。いつでも 私に紹介… 』
そうではない事は分かっているのに自分の衝動を抑えたくてそんな事を言ってしまう。
すると被せるように否定して、目にみえて落ち込んでいる様子の和也の頬に手を伸ばしたが
「大事な弟なんだから…」
結局、そんな言葉しか言えなくてまた触れた手を下ろしたんだ。