第3章 其ノ弐
松『こんな時には… 潤 とお呼びくださ
いませっ…』
大『潤… んっ………馬鹿っ…
本当に!やめなさい! …全く。お前という奴は』
ようやく離れて松本は、大野の着物を整え直した。
松『もう…。 智様の、こんなになってきておられる…のに?』
大『だから…また… 触るでない。
あ~あ~、やめいやめい! 風呂に入ってくる』
ニヤニヤとしおって全く…。
年下の分際で…。
大『ふ~。 要注意人物だな。
可愛いとか…馬鹿にしておるな』
口元まで湯に浸かってため息まじりに呟くと引き戸を控え目に叩く音がする。
二『兄上… よろしければ
お背中流しましょうか…』
大『ああ。 和也珍しいな。 そんなのよ いから、お前も入りなさい。』