第21章 ニ・其ノ拾
もう何度目とも分からない情事のなかで、東山先生のところから戻った翔が呼びに来ていた事に二人共に気がつく事もなく夢中だった。
二『ふ……あっ……ん……あっ……あっ……
兄上……っ……また…ゐってしまい…ますっ……』
大『ああっ……和也っ……いいよっ……私も…だっ……うっく……』
二『兄上……。そろそろ…。』
大『そうだな。…出発前に湯にも浸からぬとな。』
そういうと着崩れた着物を直しながら側にあった半纏を羽織っているとその後ろから襖が開く音と共に、翔の叫びにもにた声がした。
二『えっ……』
櫻『和也殿っ…… 御覚悟っ!』
大『くっ……』