第21章 ニ・其ノ拾
丑三つ時。外はしんと静まりかえって風が木々を揺らす音が聞こえてくるほどだ。
二『んあっ……あっん………兄…ちゃま…
そこっ……だめ……』
大『だめなの? いい声出してるけど。』
二『う……ん……っくっ……』
静寂に二人の声だけがいつまでも室内に響きわたるが同時に白濁を出しあい倒れこんだ。
あさぼらけ…。再び自分だけ眠りについていた智だったが、その冷えこみで目を覚ました。
大『和也…。 大丈夫か?……また少しも寝ておらぬのか?』
二『いえ。…兄上。 私も先ほどまで少し眠って
おりました。』
すると少し赤らんだ目を少し温めるように手のひらで押さえるとそのあとその目元に鼻にそして、唇へとその唇を落としていく。