第21章 ニ・其ノ拾
そんな言葉の通り何度となく重なりあい禁忌を重ね合う。
一度眠りについた智の寝顔を暫くの間見つめていた和也だったが何ともいえない不安感に苛まれなかなか寝付けずに、一度布団を抜け出し窓の襖を隙間ほどにあげて月を見上げる。
二『心にもあらで憂き夜に長らへば
恋しかるべき 夜半の月かな~』
声を圧しころして思わず唄を口ずさんで目だけ閉じてため息をはいた。
大『ん…和也。 いかがした? 眠れないのか?』
二『…兄上。 すみません…起こしてしまいましたね…』
大『ほら、冷えてしまうから。此方へ入りなさい。』
そういうと布団を捲ってポンポンと叩いて呼び寄せる。
二『はい…。 おにいちゃま。』
大『ふふ…。 可愛いの~。お前は。』