第18章 二・其ノ漆
櫻井の診察も終わって、東山が部屋の準備をしてくれている間出してもらった和茶を二人で飲みながら話をする。
松『もしも… 翔が良ければだけど ここにずっと
いるというのも…悪い話ではないと思うぞ。』
櫻『そ……れは まぁ…… いや、勿論東山先生に
は沢山の恩恵を受けておるし、力になりたい気持ちもある…
しかし、私は… 先生の弟には…なれな… い
それに、これ以上先生が傷つくようなことがあってほしくないのだ』
松『これは、正式におっしゃったわけではなくて
ホントに洩らしてらした事なのだが…
お前の事を養子に出来たらと… 医師の職も継がせる事が出来たらどんなに良いかと……』
櫻『そんな……事を…… そんなにも……』