第18章 二・其ノ漆
櫻『やめ……あっ……』
ふと櫻井の力が抜けたその時ガサッと木葉を踏む音がして一瞬にして櫻井の着物の乱れを直すと背中へと隠すようにして庇う。
松『あなたはこちらへ… 私がお守りします』
櫻『へ……』
思わず、ときめいてしまいまの抜けた声が出てしまう。
松『誰だ……! 』
東『待て待て…。 私だ! …たく。
翔がいつまでも来ないから。 身体は大丈夫か?』
櫻『先生…。 だ…大丈夫です。 本当はもう
伺わなくとも平気なくらいなのですから』
東『そんなこと言わないで… 何だか顔が赤いようだぞ?
熱があるのではないか? ほら翔。こっちへ……』
そう言って、東山は櫻井の手を引き寄せて抱きしめるようにしながらおでこをくっ付けて熱を見てくれる。