第2章 其ノ壱
相葉が再び剣をふりかぶるが、それもまた大野の剣で阻まれる。
大『まずは落ち着け。 雅紀。
今はそんなことしなくても、この者は危険な状態だ。』
そう言うとそこでようやく、相葉も剣を鞘に戻した。
二『兄上…。これはどういうこと…なのですか?
流石にこれは…、父上に知られたらどういうことになるか』
大『潤。 とりあえず運んでくれ。』
『承知』そう言って馬から奴を降ろすと松本が担ぎ上げて屋敷の裏へと消えて行くのを見届け言う。
大『あの者は、私の権限で連れ帰ってきた。
見る所まだ和也と同じ位の年であろう…
助けて恩を売ってこちらの味方に付ける。勿論、この4人以外には伝わる事のないようお前たちも頼み申す。 』
そう言って大野は頭を下げる…。
相葉は、頭を抱え込んでいた。