第2章 其ノ壱
二『ああ…。 行こう。』
相『和也殿。 あまり気負なさらず、
兄上もまだそのことは考えてもいないと
おっしゃってましたので。』
2人で森の入口へと向かいながらそんな話をする。
二『しかし…忘れるには… 父の紹介する者と会うのも…
それもいいのかもしれないな。 』
そんなことを、呟くように言うと相葉の
驚いた声につられて視線を遠くへとおくる。
相『え……?』
二『え……』
相『何奴!』
視線の先に、兄の姿が見えたが兄に背負われた人物らしきモノに相葉は瞬時に鞘に手をかけて駆け上がった。
大『サスケ!! やめ!』
静かな森に、相葉の剣と智の剣がぶつかった音が鳴り響いた。
相『何故ですか! 智様っ…。
その者、その胸元の家紋は 徳川のモノ! 才蔵も何をしておるか!』