第15章 二・其ノ肆
ニ『兄上…、お知り合いだったのですか。』
大『和也は覚えておらぬか。 昔よく、三人で釣りに行っていたんだぞ。
ほら侑李。 景勝殿は凄い釣りの名手なんだ。
そうだ、今度みんなで釣りに行こうか?』
知『…本当? うん! 行く!
あのね……ボク…このまえ こ~~んな、こ~~んな
大きなタイを釣ったんだよっ』
智がそう言ってくれると、一気に涙も引いてシゲアキに向かってまた自慢気に話だした。
加『凄いな~ 侑李お坊ちゃんは。
しかしながら、智殿。 名手だなんてそんな…もう…
』
ニ『ああ~。 おシゲちゃんだったのか! そうそう。
よく家にも来て兄上と書き事に勤しんでおられた…。』
ようやく思いだして、そう言うとシゲアキは顔を赤くしてその呼び方は…と慌てて制止させにきた。