第2章 其ノ壱
夜明け前-
兄上が出発してから、程なくして先人きって出発した松本・相葉の勢が戻ってきた。
松『殿。 とりあえずは、こちらまで攻めてくるということはないので
あとは智様が片を付けてくれると…』
父『さようか。 才蔵も佐助もご苦労。
引き続き監視の方も頼んだぞ』
松・相『承知致しました。
それでは智様が戻られましたらすぐに宴の準備を』
二『父上……兄上は…』
父『まあ、案ずる事はない。 才蔵どもの勝利の後。 家康とどのような話をつけるかは全て任せておる。』
二『さよ…うにございますか。』
父『…和也は…。 相変わらずだな。』
二『それは…。 どのような…意味でございますか…』
薄ら笑いでそう言う父上に思わず言葉を返す。