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レイジーシンドローム
第1章 熱帯夜
コンコンッ。
玄関のドアを叩く音。
「はーい。」
啓太がドアを開けると、香苗がはにかんだ笑顔で立っていた。
「すいません、こんな時間に。」
「いいよ。お邪魔します。」
「どうぞ。」
啓太は香苗を慣れた様子で部屋に通して、接客用のお茶を注いだ。
クッションに座る香苗にお茶を差し出す。
「ありがと。」
啓太も斜め向かいに腰を下ろして、自分用のお茶を一口飲んだ。
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