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レイジーシンドローム

第1章 熱帯夜


机に冷たいお茶を置くと、腕組みして聞く体勢になった香苗と目が合った。
「で?どうしたの?」
真剣、だけれど優しい眼差し。
啓太はぽつりぽつりと話し出す。

「彼女、なんか・・・寂しいから別れたい、とか言い出したんですよ。」
「・・・寂しい?」
「はい。」
香苗は「ふむ。」と考え込んで啓太を向く。
「デート断ってた、とか?」
「それはありましたけど、お互い様でしたよ。」

それに先輩も知ってるでしょ?
彼女だって卒業論文で忙しいはずですし、バイトだってあったし。
俺、しっかりメールとか返してましたし、電話もしょっちゅうしてましたよ?
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