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レイジーシンドローム

第3章 残暑


エアコンの効いた涼しい部屋の中、香苗はいつの間にやら寝ていたらしい。
「香苗さん。香苗さん!」
原田の声が、近いのにどこか遠くに聞こえる。

「んあ・・・なーに?」
「今、彼女からメールが来ました!」
もそもそとベッドから起き上がると、すぐ隣に原田の姿。
携帯を向けられ、画面の眩しさに当てられながら文面を読む。



「寝てたらごめんなさい。やっぱり話し合いたい。」



香苗の予想より早かった彼女からの連絡メール。
「香苗さんの言う通りでしたね。」
すっかり晴れやかな顔の啓太。




しかし今の香苗には、彼女からのメールも、啓太が喜んでいる事も、至極どうでもよかった。
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