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レイジーシンドローム

第2章 季節の変わり目


啓太は大口を開けて欠伸した。
目を閉じても光は瞼を通って感じられ、視界が真っ赤に感じられる。
啓太は悩んでいた。

彼女か、香苗さんか。

香苗と付き合うことを考えた事など無い、と言ったら嘘になる。
しかし彼女と知り合った頃、香苗さんの隣には男がいたし、そのうち自分にも彼女が出来た。
「原田にはあの彼女より香苗さんの方がいいんじゃね?」
そう言った友人も多いが、啓太は否定し続けて来た。

だってきっと、彼女の事が好きだから。




・・・なぜ、好きなのか?
なぜ、香苗さんではダメなのか?


ぐるぐる思考を巡らせる頭を宥めるように、啓太は香苗に頭を撫でさせ続けた。
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