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レイジーシンドローム

第1章 熱帯夜


そろそろ帰ろうかな。
香苗が啓太の頭を撫でていた手を引くと、啓太の手がそれを阻止した。
香苗は少しドキッとする。
香苗の手首を掴んだその手は、また啓太の頭に持っていかれた。

・・・もっと撫でろということか。
思い過ごしかと呆れたように笑って、香苗は可愛いワガママを叶えてやる。





これ以上踏み込んではならない。
こんな綺麗な子を、あたしで汚しちゃダメなんだ。

香苗は少しだけ、ほんの少しだけ身構えた。
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