第6章 TIME SLIP 〜アラン後編〜
「…アラン、アラン。」
「……ルイ?」
目を覚ますと、ルイがいた。
「カインが部活に来ないって探してたよ。」
「もう放課後?」
(すげえ気持ちいい夢みた気がするけど……
なんか部活の後みたいに疲れてんな。)
「悪いけど、今日は帰るって言っといて。」
「えっ?」
アランはフラフラと帰っていった。
………
(なんで俺が……絶対理不尽に怒られるに決まってる)
そう思いつつ、律儀にグラウンドへ降りていくルイ。
「あ、あいつ見つかったか?」
ルイに気づいてカインが声をかけてきた。
「いや、なんか今日は帰るって。」
「はぁあ?!意味わかんねぇ!!
もうすぐ試合だから今週は絶対練習来いって言ってあんのに!!
なんで連れてこなかったんだよ!」
(ほらね……)
「カインー、ルイは悪くないでしょー。」
黙っているルイをノアがフォローする。
そこへ袋をぶら下げたレオが現れた。
「飲み物の差し入れ持ってきたよ。」
「さすが、気がきく!
おまえら双子のくせに全然似てねーな、ほんと。」
「まぁまぁ、アランのことも可愛がってあげてください、先輩。」
このメンバーが高校を卒業して、アランがミルクと出会うのはまだまだ先のお話……。
〜おわり〜