第5章 TIME SLIP 〜アラン〜
アランとともに国王、王妃となり新しい公務も増え、2人はそれぞれに忙しかった。
あっという間に月日は流れ、もう2年になる。
そろそろお互い、その座にも慣れて少し余裕ができてきたところだ。
そうなると、世間はもちろん王宮内でも期待されるのがお世継ぎ。
先日もジルからやんわり、「どうですか?」と聞かれたばかりだ。
(私だって欲しいとは思ってるけど……。
結婚して2年だし、正直言って夜はマンネリ化してるんだよなぁ。
多分それはアランも感じてると思うし。)
先に公務を終えたミルクはシャワーを済ませて寝室へ向かう。
(今日もアラン遅いんだろうな。)
キングサイズのベッドに1人で寝るのはやっぱり寂しい。
間接照明だけをつけたままにしてベッドに入ろうとした時気がついた。
(あれ?誰かいる……?)