第3章 シド←→ジャス
「ふっ はぁっ……」
「おまえ、これだけでふにゃふにゃになっちまうのか。
この先耐えられるか?」
この先?この先って?!
シドが立ち上がる。
「来いよ。」
差し出された手を握って私も立ち上がろうとすると、グイッと引っ張られてシドの腕の中におさまった。
「もう俺のもんだから、好きにしていいよな?」
拒めるわけないじゃない。
コクンと頷いた。
私を抱きしめたまま、シドの手が優しく頭を撫でる。
まるで好きだって言われたみたいで、背中に回した手でシドの服をキュッと掴んだ。
髪をひとつにまとめていたクリップを外され、さらさらと髪がおりる。
「後悔させねぇから。」
シドはそう言って、私をひょいと横抱きにするとベッドへ向かう。
やっぱりそういうことですよね……。
緊張するよぉ……。
ベッドに降ろされ、シドを見上げた。
「緊張しすぎだろ。」
「好きな人とこうなってるんだもん!
緊張くらいするでしょ普通!」
「好きな人……ね。」
ニヤリと笑った顔はすごく満足気だ。
なんだか悔しい。
「そんな緊張すぐ忘れるくらい夢中にさせてやるよ。」