第3章 シド←→ジャス
通りで、恋愛の話に持っていかれたわけだ……。
っていうか、どうしよう。
私、ほとんど告白しちゃったのと同じってことだよね。
「で?どうなんだよ?」
向かいに座っていたシドが立ち上がり、椅子を持ってミルクのすぐ隣に移動する。
「えっ、そういうこと、ですけど……。」
恥ずかしくて、テーブルの上に置いた自分の手を見ながらそう言うのが精一杯。
「へぇ。奇遇だな。」
なにが?と思った瞬間、唇が重なった。
一気に顔が熱くなる。
唇が離れても、シドは私の椅子の背に手を置いたまま私を覗き込んでいる。
「顔、真っ赤。
別に初めてってわけでもねぇだろ?」
「シドとは初めてだよっ!な、なんで……」
「なんでかって、今それ聞くか?」
「ちゃんと言って欲しいの!」
「気が向いたらな。」
シドはそう言うと、再び唇を合わせてくる。
さっきの触れるだけのキスとは違って、舌を絡めて深く、口内が犯されるようなキス。
とろけるような気持ちよさに、思わずシドの腕にしがみついた。