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【イケシリ】sweet dreams【短編集】

第28章 99+2 ー王宮アランー




パーティーはつつがなく進み、空には星が瞬き始める。
アランとミルクはバルコニーに出てそれを見上げていた。

「あー疲れた。」

「もう……、抜け出してきちゃってよかったのかな。」

「ちゃんと顔出したし、もういいだろ。」

「……じゃあ、改めて、」

ミルクは手に持ったグラスを少し上げる。

「乾杯。」

「そんなに嬉しいの?」

「もちろん!こういう日は、アランのこと大好きだなぁって改めて思うんだ。
 それに新しい衣装もほんとにかっこいいし。」

「もっと近くで見る?」

アランはミルクの腰を引き寄せた。

「えっと、これじゃ見えな……っ。」

言い終わらないうちに、唇が重なる。
小さく聞こえていたパーティー会場のざわめきも遠くなっていった。
深くなっていくキスに、聞こえるのはお互いの息遣いだけ。

「俺はこれ、そろそろ脱ぎたいんだけど。」

そう言ってネクタイを緩めるアランにミルクは慌てた。

「このネクタイとお揃いって言ってたリボンもほどきたいし……。」

腰に回された手は背中で結ばれたリボンをなぞる。

「ちょっと!こんなところじゃ……!」

「だめ?」

「だめ!」

「じゃあ、部屋戻るか。」

アランは真っ赤になって黙るミルクの手をひいて歩き出した。

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