• テキストサイズ

【イケシリ】sweet dreams【短編集】

第26章 隣にいるだけで ー王宮アランー


今日のミルクの公務は書類仕事だけで、アランは休みだった。

「これ、出来ました。
 あとどれくらいある?」

と、書類を提出したミルクにジルは目を見張る。

「本日分は以上です。」

「え?!」

ミルクから、思わず驚きの声が出た。

「仕事が早くなりましたね。
 この後は休んでもらってかまいませんよ。」

「うそ……。」

「ご不満でしたら、30分で追加の書類を用意しますが。」


そう微笑むジルに慌てて返事をする。

「今日の公務は終わりにさせていただきます!」

執務室の扉がカチリと完全に閉まった音を聞いた瞬間、ミルクは駆け出した。

(早起きして頑張ったかいがあった!!)

一旦部屋に戻り、おろしたての淡い水色のワンピースに着替える。

(今日は特に約束をしてたわけじゃないから、会えるかどうかもわからないけど……。)

逸る心を抑えながらアランの部屋にたどり着いて、扉をノックする。
返事がない。

(うーん……いないのかな。)

探してみることにして廊下を引き返し歩き出す。
すると、レオがこちらへ向かってきた。

「あれミルクちゃん、今日はもう終わり?」

「ちょっと頑張ったんだ。
 あ、そうだアラン見なかった?」

「アランなら、少し前にアーサーと散歩に出て行くの見かけたけど。」

「え、ほんと?ありがとう。」

「へぇ。
 どうりで可愛い格好してると思った。」

レオが目を細めて笑う。

「アラン、見つかるといいね。」

見透かされて顔を赤らめるミルクにひらひらと手を振ってレオは歩いて行った。

(私そんなにわかりやすいのかなぁ……。)



/ 279ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp