第23章 クリスマスリレー小説ー夏津ー(未完)
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着物を乱したまま、二人で仰向けに並ぶ。
互いの浅い呼吸が聞こえてくるだけで、どちらも言葉を発さなかった。
(先にちゃんと話したかったけど、夏津に触られるとダメだ私……。)
ミルクはそんなことを考えながら目を閉じて一息ついた。
髪を優しく撫でる手を感じて夏津の方を向くと、慈しむようにミルクを見つめる瞳と視線が交わる。
黙ったまましばらく見つめあったあと夏津は身体を起こし、俺の部屋に行くぞと言うと立ち上がった。
ミルクも慌てて着物を整えると、夏津の後を追う。
「あ、ふふ……。」
何かに気づいたミルクが笑った。
「なんだよ。」
「羽織、裏返しに着てるよ。」
ミルクは夏津の後ろに立つと、羽織を着直すのを手伝った。
「慌てすぎ……っ?!」
笑いながらそう言うミルクの手を夏津が掴んだ。
そしてぐいぐいと歩を進めながら言う。
「別に誰に見られてもいいんだろ?」
「そう言ったけど、ちょっ、痛いよ。」
抗議を無視して、夏津はミルクを引っ張って部屋へ向かう。