第22章 クリスマスリレー小説 ーアランー
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「あ、雪だ。」
レオの授業中、ふと窓の外を見ると白い雪が降り始めていた。
「ミルクちゃんはウィスタリアで過ごす初めてのクリスマスだね。」
「あ、そっか、そうだね。
クリスマスにも雪降るといいなぁ。」
綺麗な街並みがクリスマスに真っ白になるところは想像しただけでロマンチックだ。
「ウィスタリアにはクリスマスにステキな言い伝えがあるんだけど……知ってる?」
「聞いたことないかも。
どんな言い伝え?」
「雪の降ったクリスマスの夜に、ケーキを食べさせ合うと一生結ばれる。」
「へぇ、ステキだね。」
一緒にケーキを食べたい人の顔が浮かぶ。
「あー、ミルクちゃん今アランのこと考えたでしょ。」
「えっ。」
「まだ授業中だよ。まったく、顔緩みすぎ。」
ほっぺたをむにっとつままれる。
「何故かウィスタリアはクリスマスに雪が降ることが少ないんだ。
今年は降るといいね。」
レオの言葉の意味に、頬が熱くなる。
ケーキかぁ。
プレゼントとかまだ考えてなかったけど、ケーキを作ることにしようかな。
「ほら、続き読むよ。」
「はーい。」
浮きたつ気持ちを抑えて、私は再び机に向かった。