• テキストサイズ

【イケシリ】sweet dreams【短編集】

第21章 過ぎ去りし時 ー秀吉ー


「今日すごく嬉しいことがあったんです。」

仕事が一段落すると、私は秀吉さんの部屋に来ておしゃべりをする。

秀吉さんはいつも美味しいお茶を淹れてくれて、楽しそうに話を聞いてくれる。

秀吉さんもその日の出来事を話してくれて、たまに私が信長様に対して嫉妬で拗ねたりもする。



私たちは、少し前に恋仲になった。

"妹みたいだから"、"お兄ちゃんみたいだから"って、何かと側にいるようになったのが始まりで。
でもそれが互いにただの口実になっていることに気づき、兄妹のままではいられなくなった。


「そろそろ遅いから、もう部屋に戻れ。」

秀吉さんのいつもの台詞。

「いやです、って言ったら?」

今日は少しだけ抵抗してみるって決めてきた。

「その時は抱えて部屋に連れて行くだけだ。」

「……じゃあ、ちゃんと自分で部屋に帰るから一つだけお願い聞いて欲しいな。」

「なんだ?」

「おやすみなさい、の口づけして。」

「したらちゃんと帰れよ?」

「うん。」

秀吉さんの指が私の顎をすくい、唇が近づいた。


/ 279ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp