第1章 アラン←→アーサー
んん……。
そろそろ朝……
早めに自分の部屋に戻らなきゃ。
アランはまだ寝てるかな?
?
隣に寝てるはずのアランがいない。
「アラン?」
もぞもぞ
いないと思ったけど、アランの布団の中で何か動いてる。
不思議に思って布団をめくると、そこにはアーサーがいた。
なんでこんなとこにアーサーがいるんだろう。
ワンワン!
「おはようアーサー。
アランはどこに行ったか知ってる?」
ワンワン!
何か言いたそう。
おなか空いたのかな?
「お水飲む?」
布団から出て、アーサーの餌入れを取りに行こうとしたら、いた。
「アラン?!」
アーサーのクッションを枕にして、床で寝てる。
「ちょっと、どうしたの?
なんでこんなとこで寝てるの?」
揺り起こすと、眠たそうに目を開ける。
「プリンセス?」
今プリンセスって言った?
いつもおまえか、ミルクって呼ぶのに。
「アランどうしたの?」
「アランって……?あれ?
ぼく、プリンセスとお話してる!?」
まだ夢でも見てるのかな。
「アラン、私そろそろ自分の部屋に戻るよ。」
「待って、プリンセス。
ぼくアランじゃなくて、アーサーだよ。」
え?
えええええ?
じゃあ、アランは?
もしかして……
ワンワン!
振り返るとベッドからアーサーが飛び降りてきた。
「もしかして、こっちがアラン?!」