第19章 勘違い ー光秀ー
う……、頭痛い……。
昨日どうしたんだっけ……。
そうだ、秀吉さんにお礼言わなきゃ。
あー気持ち悪い。
水を飲みに行こうかな。
部屋を出ようとすると、襖に手紙が挟まっていた。
光秀さんからだ。
『そろそろ想いを告げる決心はついたか?
意中の相手を呼び出しておいた 』
夕方私の部屋に来るようにしてあるから出かけずに待っとけ、って。
なにこれ、どうするの?!
余計なお世話すぎる。
そんなに私と秀吉さんをくっつけたいわけ?
あーなんだか更に頭痛くなってきた。
ポトリ。
折りたたんである手紙を最後まで開くと、何かが落ちた。
『家康特製 二日酔いの薬 』
心配してくれたのかな?
初めて優しくされたかも知れない……。
怒ったり、ときめいたり、心が忙しい。
こんな風に振り回されるのは、すごく好きだからなんだよ。
気づいてよ。
今度は涙が滲んでくる。
ため息をついて立ち上がった。
とりあえず薬飲もう。
水をもらいに台所へ向かった。
−そして、夕刻。
光秀さんにもらった薬を飲んでしばらくしたらだいぶスッキリして、髪も結い直した。
散歩に出たり、掃除したりしてるうちにあっと言う間に日が暮れた。
秀吉さん来たらなんて言おうかなぁ。
考えていたら襖の外から声がかかった。
「紗代いるか?入るぞ。」