第6章 *過去の傷
泣きながら強烈な快楽に溺れていくヴィア。
だがその涙は悲しいものではなく、官能的なものだとよく分かった。
彼女の術が溢れ出しているからだ。
「ヴィア、気持ちいい?」
『あぁぁっ、んぅ、は、ひっ…』
もう呂律も回らない彼女は辛うじて質問に答え、再び快楽へと身を委ねた。
気持ちよすぎてなのか、さっきからずっとヴィアの中は震えっぱなしで時折一際大きく体を仰け反らせている。
彼女の術は他の術師に、力を与えると言うものなのだ。
だが、その与え方が特殊で「契を交わした者は行為を行っていなければ与えられない」
「術師本人が心から嬉しいや、気持ちいい等の正の感情を持った時にしか与えられない」
「契を交わしていない者には、目を通じてしか与えられない」
と、他にもあるようだが、主なものは以上だ。
契を交わしたものには、彼女の術が目に見える。
体の周りにキラキラとした力が溢れ出ていて、それを自分に取り入れる事で力がもらえるのだ。
だが、彼女も術を使っている訳で…出て行った力の分その後、彼女にかかる負担が変わる。
だからあまり術を使わせないようにしたかったのだが……
そう思いヴィアを見下ろすと、さっきよりもキラキラが多くなっているように感じた。
自分が考え事をしているうちに感じまくっていたのか。
『っひぁぁぁぁ、あぁっ…ぁ、ぅ』
ヴィアは感じ過ぎてか、膣は痙攣しぱなっしで涙が溜まった目は虚ろになってしまっている。
そろそろ限界だろうと、センは自分の限界にも気付きラストスパートをかけていく。
「ヴィアっ、俺も…そろそろ」
『あぁぁっ、ぁひ…い、いです、よっ…んぁ、ぅ』
「一緒にっ、イこっか…っ」
『は、ぃっ…っやぁぁぁ、ぃ……くっ、ぁ、っ、あぁぁぁぁっ』
体を密着させ一番深い部分で繋がり、ヴィアがイったその締め付けに合わせセンも中に白濁を注ぐ。
『ぁ、んっ』
ビクビクと余韻に浸りながら、焦点の合っていない目を動かしているヴィアを見下ろしながらセンは手で涙を拭ってやる。
汗と涙どちらも混ざり合いヴィアの顔はグシャグシャだった。