第3章 So far〜木兎光太郎〜
赤葦side
小鳥遊先輩のおかげで、
木兎さんのしょぼくれモードもすぐに
直り、普段通り練習ができた。
練習終わりの更衣室。
「木兎さん」
「んー?」
「小鳥遊先輩のおかげだってこと、
ちゃんと気づいてます?」
「……あかーし」
「?」
「俺が今ここにいるのは、あんずの
おかげだよな?」
「え…は、はい」
「俺、昔からこんな性格だったからさ、
深い友達って、できなかったんだよ」
「それ、今関係あります?」
「いいから聞け」
いつになく真剣な顔の木兎さん。
…試合のときとは違うんだ。
どこか寂しそうで、切ない表情。
「そんな俺でも仲良くしてくれたのが
あんずなんだ」
「だったら…!甘えて傷つけるな!」
しんみり語る様子に無性に腹が立って、
木兎さんの肩を掴んでロッカーに
押しつける。
「ちゃんと感謝伝えてあげてください!
好きだってこと伝えてあげてください!
アンタはそれしかできないんだから!」
木兎さんはしばらく目を見開いたまま
俺を見つめていた。
「…すみません」
「感謝は、伝えてるつもりだよ」
「え?」
「伝わってねぇのなら仕方ねぇけど…。
それよりさ…。あかーし!!」
今度は俺がロッカーに押しつけられた。