第2章 happy jewel
「昨日は本当にごめんな。これは唯の助け無しで手に入れたかったんだ。元々、唯に渡すつもりだったから……」
ジンの顔が赤い気がするのは、気のせいだろうか。
「……ジンの願いって?」
唯は震える声で、もう一度、昨日と同じ事を訊く。
「これから先ずっと、オレが唯を幸せにしたい。それがオレの願いだ。……嫌か?」
「ジン!!」
唯はたまらずジンに飛びついた。
唯が自分からジンに抱きついたのは、きっとこれが初めて。
ぎゅーっと強い力でジンを抱きしめる唯。
「唯?」
「嬉しい! 嫌だなんて思うわけない! すごく嬉しい! ……すっごく幸せ……!!」
嬉しくて、嬉しくて、涙があふれてくる。
「ありがとう、ジン。……大好き!」
顔を上げ満面の笑みで言うと、ジンは少し驚いた顔をして……それから嬉しそうに微笑んだ。
「オレも……唯が好きだ」
そう言って強く抱きしめ返してくれた。
そして二人は口付けを交わす。
……それは、二人の誓いのキス……。
END.