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【JING】君はオレの宝物。 番外編集

第2章 happy jewel



 ――次の日の朝。

 唯が宿屋のベッドで目覚めると、またしても誰もいなかった。
 愕然とする唯。……だが、

 ガチャ。

「あ、唯起きたか?」

 ジンが笑顔で部屋に入ってきた。

「……」
「なんだ。またひとりにされたと思った?」

 言われて、むーと唇を尖らす唯。

「だって……。あれ、キールは?」
「あいつは……ちょっと出かけるって」
「ふーん?」

 キールが朝からどこかに出かけるなんて珍しい。
 唯が首を傾げていると、ジンはコートのポケットから何かを取り出し、その閉じた手を唯の前に差し出した。

「え? 何?」

 ジンを見上げると、なんだか今まで見たことのないような表情。
 そして、ジンがゆっくりとその手を開く。

 そこには……。

「あ!」

 昨日ジンが手に入れた『幸福の石』。
 驚いたことに、それが“指輪”になっていた。

「え、これ……」
「細工師に作ってもらったんだ」

 昨日もキレイだとは思ったが、やはり指輪になると全然印象が違う。
 これではまるで本物のダイヤモンドだ。
 いや、それ以上に特別に輝いて見えた。
 思わず見とれている唯にジンが言う。

「……左手、出して」
「え?」

 唯は疑問に思いながらも、言われたままに左手を差し出す。
 すると、ジンはその薬指に指輪をはめてくれた。

(……え?)

 それを見下ろしながら、唯は目を見開く。

「この指輪には、オレの願いがこもってるから」
「……」

 唯は何も言わない。

 ――いや、何も言えなかった。

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