第7章 長男様だよ?【おそ松】
【おそ松side】
抱きとめた彼女は予想以上に軽くて驚いた。なんも食ってないんじゃないのってくらい。
「大丈夫?」
なんて、わざとっぽすぎるか。
にしても、いい匂いする。
店に来る女性は大抵がきっつい香水つけてくるから、こんなにも優しい、甘い香りを嗅いだのは久しぶり………いや、初めてかもしれない。
なんて考えてたら、彼女が顔をばっと上げた。
多分、なんか文句言おうと思ったんだろう。だが、顔が近かったからか、顔を真っ赤にさせて、口をぱくぱくと動かせたまま黙ってしまった。
かわいい。
この言葉では足りないくらいに。
彼女に似合う言葉が見つからない。
なんせ、かわいい。かわいいって言葉以上にかわいい。
そんな顔見てるとさ………
いじめたくなるじゃん。