第3章 まさかの転職………いや、天職!?
「じゃあね、リッカくん!また来るね!」
『はい、お待ちしています』
お客さんをお見送りしてから、誰も見ていないことを確認して、そっとため息をつく。
上司のゴキゲンを伺うよりも、同僚から男の愚痴を聞くよりも、疲れる。
でも、楽しい。
矛盾してるかもしれないけど。
わたしが……、わたしなんかが、ここに来てくださった女性方にたったひとときでも夢を見させてあげられているのなら。
そう考えるだけで、胸がいっぱいになる。
請求返済のため、とかいう理由なんてもう忘れて、わたしは純粋にこのホストという仕事を楽しんでいた。