第3章 まさかの転職………いや、天職!?
チョロ「奥の更衣室に服とか用意してるから、着替えてきて」
『はい、ありがとうございます』
頭を下げると、チョロ松さんがにこりと微笑んだ。前の時とは違う。胡散臭い営業スマイルじゃなくて、優しい笑みだった。
店の奥の方に入っていくと、チョロ松さんが言っていた通り、更衣室があった。中には、先客も。
トド「待ってたよ!これが君の衣装だよ」
ぱんぱんになった紙袋を渡される。
『ありがとうございます』
トド「うん!えっと、伊織ちゃん用にカーテンつけた更衣室があるから、そこで着替えてきて。君の活躍、楽しみにしてるからね☆」
『…………はい』
期待されるの、嫌いなんだけど……。
プレッシャーで潰れそうになるもん。
でも、もともと人気No.1を取ってやろう、っていう意気なんだから、こんなんじゃダメか。
わたしはカーテンを閉めてから、少しだけうずくまった。そして、心に誓った。
あんな理不尽な請求なんかに、わたしは屈しない。