第11章 だいじょーぶ!【十四松】
【十四松side】
僕は彼女をストーカーしている犯人が来るのをひたすら待った。
彼女のアパートのすぐ近くのバス停でひたすらずっと。
正直、しんどかったけど、彼女のためだと思えば頑張れた。僕は、彼女に害をなすものを徹底的に除く。
そして、とうとう僕の予想していた通りの人が現れた。
東野 美佳子(あずま みかこ)。
最近、店の利用が増えた客で彼女のファン。
よく東野さんが、彼女から個人情報を聞き出そうとしていたのを覚えている。
すると、東野さんがカバンからケータイを取り出した。まだうかつに声はかけられない。だから、しばらくの間見張ることにした。
なにやら楽しそうに話しているみたいだけど、僕のところまでは聞こえてこない。誰と話しているのかもわからない。
でも、すぐに状況はわかった。
急に東野さんが上を見上げてにやりと笑い、ケータイをしまった。そして、親しい友達と会ったかのように手を振った。
東野さんの視線を追う。
十四「っ………」
そこにいてのは、部屋から東野さんをそっと除く彼女の姿だった。