第11章 だいじょーぶ!【十四松】
電話の向こうで美佳子さんが楽しそうに声を上げて笑った。なにが………なにが楽しいの?
『どうして、あんなこと………』
〈決まってるじゃない。…………リッカくんはわたしのものなんだから。ずっと見てるって言ったでしょう?〉
もしかして………。
いや、あるはずがない。
でも────…………。
わたしは受話器を棚の上に置いて、カーテンを締め切った窓に近づく。そして、そっとカーテンから外を覗いた。
『ひぃっ………!』
美佳子さんがわたしの部屋を外からじっと眺めていた。にやり、と笑いながら。