第11章 だいじょーぶ!【十四松】
「ねえ、リツカくん」
『はい、なんですか?』
「最近、本当に大丈夫?元気なさそう……。ご飯、ちゃんと食べてる?」
『ええ、まあ色々とありまして……。食欲もあまりないんです』
いや、もうほんと。
色々とありすぎて……。
でも、お客様に迷惑かけちゃダメだよね……。
『心配してくれてありがとうございます。僕なら大丈夫ですから』
「でも……。あ、そうだ……!ねえ、リツカくん」
『……?はい』
彼女の名前……確か、美佳子(みかこ)さん。
最近来店が増えてきたお客様のうちの一人。彼女はOLで、仕事もあり、忙しかったからそれまではほとんど日曜日に来てくれてたんだけど、最近は土曜日どころか平日まで来てくれる。
ここに来てくださる女性とは少し違う感じの方だ。清潔感に溢れ、高貴な雰囲気をまとった女性。いや、別に、他の女性方に清潔感がない、って訳じゃないんだけどね。
「よかったら、わたしがご飯を作りに行きましょうか?わたし、こう見えて料理は得意なの」
なんだろう。
言っちゃ悪いけど、少し場違い。