第10章 悪が勝ってもいいじゃん【一松】
店に入った瞬間にテンションMAX!
『かわいいー!!!』
一松「うん、そうだね」
『ひゃー……なに、このタレ耳の子………。めちゃくちゃ可愛いんだけど!!こっちのロシアンブルーも!』
一松「ふっ………」
あ、今………
『今、一松さん、笑いましたよね?』
一松「え………。いや、別に」
『いーえ!絶対、笑いました!』
一松「笑ってない!」
『わたし見ましたもん!一松さんはもっと笑った方がいいですよ』
一松さんがわたしの方をぽかんと見つめる。
一松さんの笑った顔、初めて見た。
いっつも、イヒヒ、みたいな怪しい笑い方だったから、さっきみたいな柔らかな笑みは初めて。
笑ったら、すごく可愛いのに。
なんて、言ったら怒られそうだから言わないけど。