第9章 ずっと想ってた【チョロ松】
【チョロ松side】
その憧れていた彼女こそが、今目の前にいる伊織ちゃんだ。
ね?
前までの僕ならありえなかったことだ。
だから僕は、彼女の前で頑張って好青年演じて、愛想振りまいてきたんだ。
でも、それがすべて水の泡になってしまった。
彼女に嫌われた。
そう、思ったのに。
彼女はそんなもの、全て笑い飛ばしてくれた。
予想通りの人だった。
優しくて、まるで陽だまりのよう。
ずっと、ずっと、彼女に憧れてたんだ。
僕が誰よりも長い間想い続けていたんだよ?
他のやつらに負けるわけないじゃん。