第8章 あげるよ【カラ松】
【カラ松side】
最初は穏やかに眠っていたが、急に呼吸が荒くなり、汗をかき始めた。おまけに、かすかに声も漏れている。
『ぅ………、っ………』
その様子があまりにも辛そうで、見ていられなくなった俺は、彼女の肩を揺すった。
カラ「おい!起きろ!」
何度か繰り返すと、彼女の目が微かに開いた。だが、どこか虚ろで目の焦点が合っていない。そして、その目からは、今にも涙がこぼれ落ちそうだった。
『ゆう……や……く、ん………?』
最初は不安げに揺れていた瞳が光を取り戻していく。
顔がぱあっと明るくなる。
今まで見たことないくらいに、慈愛が満ちた顔。
そして、次の瞬間。
カラ「っ…………!」
彼女が俺に抱きついてきた。
俺の首に腕を回し、強く。
『大好きだよ』