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【HQ】Egoist

第1章 最低最悪な彼女


 まあ、岩ちゃんは元々マメな性格だし、手紙がくれば律儀に毎回返事を出してたんだろうけど。
 でも、莉緒ちゃんが転校した時からって、七年だよ、七年。お互いお年頃だし、普通そういうのって恥ずかしくならない?
てか、岩ちゃんはそんな大事な事を七年間俺に秘密にしてたわけ?
及川さん、悲しい。なんて色々なことを考えながら一日が終わった。

 次の日、理由をつけて何かと岩ちゃんのとこに行くけど、相変わらず莉緒ちゃんは岩ちゃんにべったりで、莉緒ちゃんが一緒にいるせいか、いつも岩ちゃん女の子とは一緒にいないのに、他の女の子達も岩ちゃんを取り囲んでる。流石に毎回岩ちゃんとこに行くのはあれだし、何より岩ちゃんが怖い。また来たのかよと冷たい目で見られる。どうしたものかと放課後まで考えてみたけど、いい案が思い浮かばない。まあ、部活になれば、莉緒ちゃんは帰るから大丈夫だけど、そう思って部活に行ったのに、体育館にはジャージ姿の莉緒ちゃんと、それを嬉しそうに取り囲む部員達。


「え?なんで莉緒ちゃん?」
「マネージャー。」
「え?そんなの聞いてないよ!」
「今言った。」


 相変わらず俺に冷たい莉緒ちゃん。
 マネージャーいなかったから、助かります!なんてデレデレしながら言う部員達。今までもマネージャーをやりたいって言う女の子達はいたけど、全員が俺のファンだったため、監督やコーチはそんな奴をマネージャーには出来ないって言ってたのに。いや、まあ、莉緒ちゃんが俺のファンでないのは火を見るより明らかだけど、莉緒ちゃんは岩ちゃんに好意を寄せてるし、それならやっぱりマネージャーなんて務まるわけないし。


「バレーの知識もなく、遊び半分でマネージャーなんて困るんだよね。」


 俺がそういうと、莉緒ちゃんは矢巾にボールを渡した。


「トスあげて。高さはいつも一君に上げてるのと同じような感じでいい。」


 そう言ってコートにたつ、莉緒ちゃん。矢巾は、言われた通り莉緒ちゃんにトスをあげる。それに助走をつけて、高く飛ぶ莉緒ちゃん。女の子に上げるには高いトスを見事に捉え、強烈なスパイクが反対側のコートの際どいラインにin。


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