第1章 最低最悪な彼女
静まりかえる体育館。
「セッター、ミドルブロッカー、ウイングスパイカー、リベロ、どのポジションも経験してる。スパイクだけじゃ不満なら、あなたのサーブをうけてもいいけど。」
冷たい眼差しでそう言った彼女に、部員達から歓声があがる。莉緒ちゃんの見事なスパイクに俺は反論出来なかった。
「及川、どうすんだ?莉緒にサーブ打つか?」
女の子相手に流石にいつも通りサーブ出来る訳がない。岩ちゃんはそれを分かった上で聞いてくる。
「莉緒ちゃん、青葉城西バレー部へようこそ。」
不本意ではあるけれど、俺は莉緒ちゃんをマネージャーとして迎えることに同意した。