第1章 最低最悪な彼女
暫くすると、岩ちゃんが帰ってきた。
「岩泉、さっきの可愛い子彼女?」
「ちげーよ。」
帰ってくるなり、岩ちゃんは部員達から質問責め。
「岩泉が女の子送ってくなんて意外なんだけど。」
そう、それ。俺も思った。
「暗いのに一人で帰らせたら危ねーだろ。」
「高校生なんだから、一人で帰れるでしょ。」
俺の一言に皆がキョトンとした顔で俺を見る。
「え?何?俺、なんか変な事言った?」
「いや、なんつーか、意外。及川の方がそういうの気遣いそうじゃん。」
まあ、実際はそうなんだけど、岩ちゃんと莉緒ちゃんだと話は別。
「てか、岩ちゃん。莉緒ちゃんが転校したの小四の時じゃん。どうやって連絡取ってたの?」
「手紙。」
岩ちゃんの返答に飲んでたドリンクを吹き出した。うわ、及川きたね!って声が聞こえるけど、そんなのどうでもいい。あの、岩ちゃんが文通?
「岩ちゃんが文通とか超ウケる!」
「うっせ!」
岩ちゃんに思いっきり頭をどつかれた。