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【HQ】Egoist

第5章 平行する想い


 莉緒ちゃんの事を助けに隣の県まですっ飛んで行った位だから、その時に四宮さんときっと一悶着あったに違いない。

 練習中、常に岩ちゃんは莉緒ちゃんに目を配らせ、四宮さんが莉緒ちゃんに話し掛けようとすれば、割ってその間に入っていく。その不自然な光景を青葉城西の皆は不思議そうに見ていた。それでも、四宮さんもめげずに莉緒ちゃんへ声を掛ける。それに対し、莉緒ちゃんの表情は暗かった。
 練習試合も始まるし、岩ちゃんを回収しようと三人の方へ駆け寄り、莉緒ちゃんにビブスの準備をお願いした。四宮さんから離れられることに安心したのか、俺にそう言われると少し安心したような顔で莉緒ちゃんはその輪から抜けた。走っていく莉緒ちゃんを見る四宮さんの目はさっきと同様冷たかった。


「相変わらず岩泉は莉緒のお守りしてんのね。」


 そう言って、四宮さんは自分のチームの方へ帰って行った。それに岩ちゃんはああ?と不機嫌そうに声を上げた。


「まあまあ、岩ちゃん。さっき莉緒ちゃんから事情は聞いたし、岩ちゃんの気持ちは分かるけど、今はバレーに集中しよう。」


 それに岩ちゃんは驚いた顔をした。


「莉緒がアイツの事話したのか?」
「え?あ、うん。」


 俺の返事に岩ちゃんは複雑そうな顔をし、岩ちゃんも、皆の所へと戻っていった。





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